国宝阿修羅像の原型製作は、日展彫刻家の喜多敏勝氏により行われました。喜多氏はここ富山県高岡市に生まれ、昭和の巨匠・米治一氏に師事し、多くの作品を作り名声をあげられました。県展や日展にも入選するなど大きな功績を持ち、今もなお各界をとどろかせ活躍しています。
喜多氏の原型により実物の4分の1スケールにて再現、製作された国宝阿修羅。蝋型青銅製により重厚な仕上がり、着色は漆仕上げとなっており、実物に近い質感を演出しています。
3つの顔と6本の腕を持つ三面六臂(さんめんろっぴ)のその容姿は、見た者の目をハッと引きつけ魅了します。
6本の腕のうち、2本は胸の前で合掌をし、残りの腕は天に捧げています。本来なら「日輪」や「月輪」を持っているそうです。
6本の腕や胴体、体全体が貧弱なくらいスリムです。3つある顔はどの顔を見ても小顔で正面の顔は麗しい表情をしています。
まさしく今流行の美少年のイメージと重なり、仏像ファンだけでなく幅広い層を魅了していることは間違えありませんね。
阿修羅は古代インドの「アスラ」という戦の神で、敵を威嚇するかのような怒りの形相をし、肌は怒りで赤くなっているのが本来の阿修羅の表現です。しかし復刻させるモデルとなった国宝阿修羅の表情は険しい怒りは全く感じられません。怒りというよりは、憂いを含んだ寂しげで悲しそうな表情をしています。
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